※ 個人が趣味で行う鉄道模型工作の記事です。記載内容の加工方法については一切の責任を負いません。


【Nゲージ】小型レイアウトの制作

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桜が満開の春をイメージして制作したレイアウトです。
鉄道模型趣味(TMS)誌のレイアウト・コンペに応募し、努力賞を受賞しました。

いつでも気の向いたときに列車を走らせたいと思うのは、鉄道模型を趣味とする者の共通する気持ちでしょう。 購入した編成や制作した車輌の試運転ができることも考えて4両編成程度の列車を走らせることを想定してプランを練り、 メーカー製のベースボードを使った600mm×900mmのサイズにエンドレスと引込線1本のシンプルな線路配置で作ることにしました。
ストラクチャー類のほとんどはTOMYTECのジオラマコレクション(ジオコレ)のシリーズを使用し、一部にはほかのメーカーの建物も組み込んでいます。

@ 線路とストラクチャーの配置
A ストラクチャー
B レールの固定
C 山を作る
D 川を作る
E 花と樹木
F 駅前通り
G 鉄道施設
H 川を仕上げる
I 桜の木
J 小物による仕上げ
K 完成

600mm×900mmのベース

〜市販のレイアウトボードとスタイロフォーム〜
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木材で組まれたレイアウトボードと断熱用の建築材料であるスタイロフォームの組合わせは、小型レイアウトの台枠としては十分な強度を得ることができます。 カッターナイフなどによる加工のし易さからもスタイロフォームはレイアウト作りに適しています。

@線路とストラクチャーの配置

レールはTOMIXのファイントラックを使用します。

線路の配置を考える

〜ベースボードに仮設する〜
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組み線路を使った小型レイアウトの線路配置は、直接レールを敷設しながら考えるのが手っ取り早い方法です。
エンドレスとカーブポイントから分岐した引込線を配置したシンプルなプランを検討しました。

駅前や道路の配置をイメージする

〜ストラクチャーを置く〜
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山や川をイメージしながら市販のストラクチャーを置いてゆきます。

〜線路配置の決定〜
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レールの位置が決まったら、油性ペンでマークします。

〜小型レイアウトの制作〜Topへ

Aストラクチャー

ストラクチャーを配置場所に合うように加工します。

駅前商店

〜台座の切断〜
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市販の商店には歩道を兼ねた台座があります。 幅の狭い道路に歩道は不要なので、建物が建つだけの部分を残してPカッターなどを使って切断します。

〜商店を組む〜
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歩道を切り取った台座に建物を組みます。

駅舎とプラットホーム

〜駅舎の台座〜
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駅舎も商店と同じように台座の不要箇所を切り取ります。 階段部分が足りなくなる箇所は、2mm角のプラ棒を追加して段を補います。
駅舎そのものは製品のまま組み上げました。

〜センサーレール用の欠き取り〜
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レイアウトは自動運転ができるようにセンサーレールを組み込みます。 プラットホームに掛かる箇所は干渉する部分を欠き取っておきます。

〜カーブしたプラットホーム〜
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小さなレイアウトに2〜3両編成が入るようにカーブしたプラットホームを使います。 直線部分と組み合わせ、スロープの部分には高さを合わせるために2mm角のプラ棒で嵩上げします。

〜直線のプラットホーム〜
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引込線側のプラットホームは直線です。 4両編成が納まる長さとし、製品を繋げて仕上げます。

橋梁

〜カーブしたガーダー橋〜
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曲線部分に設置する橋梁はコンクリート橋とします。 複線用の製品の幅を詰めて、単線用に加工します。
右が加工前、左が加工後です。

〜スルーガーダー橋〜
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製品を分解して塗装後、ウェザリングを施します。

〜デッキガーダー橋〜
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デッキガーダー橋は枕木と橋梁部が一緒に成型されていて分解できません。 マスキングをして塗装し、ウェザリングします。

〜橋脚〜
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煉瓦らしく塗装してウェザリングします。

トンネルポータル

〜石積み〜
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プラ製品を塗装し、ウェザリングを済ませてから内壁を色付きの紙で取り付けます。

〜トンネル内に引き込むケーブル〜
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架線に付随するき電線などのケーブルをトンネル内に引き込む箇所は、プラ製アングル材とパンタグラフ用碍子パーツを組み合わせ、真鍮線で表現しました。

〜煉瓦積み〜
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煉瓦積みのトンネルポータルも同様に加工します。

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Bレールの固定

地形のイメージとストラクチャーの配置を確定し、レールを固定してバラストを撒きます。

配置の確認

〜レールを敷き、建物を配置する〜
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建物の台座が収まるように切り抜いたスチレンボードは、アスファルトの道路と一体としています。 川の流れも確定してスタイロフォームを形作っています。

〜駅前商店の並びを確認〜
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緩やかにカーブした道路に沿った商店の並びを確認します。

道路の側溝

〜スチレンボードに凹みを付けて表現〜
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厚さ1.2mmのスチレンボードから切り出したアスファルトの道路に、マイナスドライバーで線を引くように押し付けながら側溝を作ります。

〜プラ製アングル材で側溝のフタを作る〜
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プラ製の2.0mmアングルにスジ彫り用のラインチゼルでスジを掘り、側溝のフタに見立てます。

レールの固定

〜コード類に注意〜
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フィーダーやセンサーのコード類を通す穴を開け、無理が無いように通しておきます。 ポイントやセンサーレールの裏面は、この後の作業で塗料などが付着しないようにマスクしておきます。

〜組んだレールを一気に固定〜
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線路はすべて接続して組み上げておきます。 基盤となるスタイロフォームに罫書いた箇所にゴム系接着剤を塗布し、一気に固定します。
曲線部分の外側には1mm角のプラ棒を挟んでカントを付けました。

接着剤が固まったら列車を走らせて動作確認をします。 通電不良やセンサーの反応が悪ければ、やり直さなければなりません。 幸い、不具合はなく試運転は成功です。

〜バラストを撒く〜
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バラストはTOMIXのシーナリーバラストのブラウンを使用しました。 線路の間にも構わずに撒いてしまいます。

〜バラストを固定する〜
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バラストの固着にはボンド水溶液を垂らす方法が知られていますが、界面活性剤入りのアクリルエマルジョン固着剤「スーパーフィックス」を使用して効率を上げました。

〜試運転〜
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バラストが固まったら通電確認の試運転を行います。 この後は、作業単位ごとに試運転を繰り返して不具合のないことを確認しながら進める必要があります。 でき上がってから列車が動かなくなると、原因を特定することが難しくなるからです。
道路以外の部分には、下地処理として水で薄めたカラージェッソ(リキテックス)を塗布しておきます。

レールの塗装

〜マスキング〜
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レールの側面をサビ色に塗装します。 塗装前の準備としてレールの踏面を幅1.0mmの製図用テープでマスキングします。

〜エアブラシによる塗装〜
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調色した水性アクリル塗料をエアブラシで吹き付けます。 マスキングテープを剥がすとレールが細く見えて、いい感じです。
ここでも試運転を忘れずにしておきます。

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C山を作る

山の形を決め、プラスターで地面を作ります。

山を形作る

〜背面に壁を立てる〜
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画材店で入手した厚手の紙を背面の壁としました。 強度の問題はなさそうです。
あらかじめトンネル内の点検用に開閉式の窓を設けておきました。

〜トンネル壁面と山の支柱〜
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トンネル内が明るく透けないように内側を黒く塗った発泡スチロールで内壁を建てます。 スタイロフォームの余りを適当な大きさに切って、トンネルの屋上や山の支柱としました。

〜山の形を作る〜
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立てた支柱にスチレンボードの帯をゴム系接着剤で貼り付けて山の形を作ってゆきます。
プラスター塗布作業に備えて、トンネル付近やレール面をマスキングしておきます。

プラスターを塗る

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山や地面は古くから焼石膏を使う方法が知られています。 模型制作用に販売されているTOMIXのシーナリープラスターを水で溶き、キッチン用ペーパータオルに浸して山の形の帯や支柱に掛けてゆきます。 水で溶いたプラスターを直接手にすくって厚さを補ったりもしました。

〜十分乾燥させる〜
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色を着ける前にプラスターは十分に乾燥させる必要があります。
左下の角は、段ボールを畝に見立てた畑としてみました。

山の着色

〜塗料の準備〜
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水性アクリル塗料を水で溶き、何色か準備します。 茶色や緑色のほかに、黒色や白色も用意します。

〜色を塗る〜
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刷毛を使って色を塗ります。 薄い色を何層にも塗り重ねて色をつけてゆきます。

〜草地を表現する〜
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緑色系や茶色系のカラーパウダーを山肌に振りかけて草地を作ります。 淡い色や濃い色を適当に混ぜながら指先でつまみ、高低差を変えながらまぶすと、それらしくなります。
木工用ボンドやTOMIXのシーナリーボンドを水に溶いて霧吹きで噴き付けて固定します。

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平地の畑なども同じようにパウダーをまぶします。

〜木々の表現〜
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山を覆う木々の表現は、ウッドランドシーニックスのフォーリッジクラスターを中心に他社の製品も交えながら適当な大きさに千切ってシーナリーボンドで貼り付けます。 木の幹を表現する必要はありません。
色調は、春をイメージして明るい緑を選択しています。

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D川を作る

川を作ります。

川底の塗装

〜塗料を準備する〜
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水性アクリル絵の具の青、緑、黒、白を準備します。

〜濃淡をつけながら塗る〜
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川の中心の深いところを濃く、岸辺の浅い場所は淡い色になるように水性アクリル絵の具を水で溶きながら筆塗りします。

川岸を整える

〜商店裏手の石垣〜
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商店の裏手の川に面する場所は石垣としました。 プラ製の石垣にφ1.0mmの真鍮線で排水用パイプを表現し、水垂れの汚れを表現します。

〜石を置く〜
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石垣を設置して、川岸には大小の石を置きます。

〜川岸の草〜
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ウッドランドシーニックスのフィールドグラスやターフなどを使って、岸辺の草を表現します。

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E花と樹木

春の花を咲かせ、樹木を植えます。

春の花々

〜線路際の菜の花〜
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春を彩る菜の花です。

春の樹木

〜線路際の木々〜
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白梅を表現したかったのですが、何だか分からない木になってしまいました。

商店の裏庭

〜枯れ木〜
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春先は、まだ葉を付けていない木もあります。

〜葉を付けた木〜
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もちろん、葉を付けている木もあります。

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F駅の周辺

駅前通りなどの駅の周辺を仕上げてゆきます。

駅前通り

〜建物の設置〜
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商店などの建物を組み立てて設置しました。 レイアウトの全体の様子ができあがってきました。

〜駅前通りの道路〜
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道路にはマンホールのふたを取り付けます。

〜郵便局〜
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郵便局の前には赤いポストを建てました。

駅周辺

〜駅前〜
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この時点では駅名を決めていませんでした。タクシー会社と交番で駅前を演出します。
古い形の電話ボックスは、この後に新しいタイプに変更することになります。

〜駅構内側から見る〜
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細かなアクセサリーの配置がなく、殺風景です。

〜ホームに人が立つ〜
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ホームの柵を設置して列車を待つ人々が立つと、駅らしい雰囲気が出てきました。

〜賑わいを増す駅前通り〜
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電柱が建って人が増え、車やバイクが走り出します。

〜駅前通りを俯瞰する〜
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駅前通りを上から見てみます。

〜電線を張る〜
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電柱に張る電線は釣り糸を使って見ました。

〜電柱を支えるケーブル〜
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真鍮パイプを使って電柱を支えるケーブルを表現しました。

〜駅前を仕上げる〜
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駅前には大きな木を植え、電話ボックスはガラス張りのものに交換し、仕上げてゆきます。

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G鉄道施設

線路際の小物や架線柱などの鉄道施設を設置します。

架線柱

〜鉄骨単線〜
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橋梁部には鉄骨の単線架線柱を建てます。
TOMIXの製品を組み立てて塗装し、サビ色を使ってウェザリングを施しました。

〜木製単線〜
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曲線部は木製の柱を表現した単線架線柱も使用します。

〜ホーム上の鉄骨架線柱〜
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駅のホームに掛かる場所には鉄骨の架線柱を建てます。 TOMIXの製品を加工して作りました。

このほかにも、線路配置にあわせた架線柱を幾つか準備しました。

線路際のアクセサリー

〜ATS地上子〜
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線路際の小物を用意します。
ATS車上子はプラ製を白色で塗装します。

〜用地界標〜
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用地界標は1mm角のプラ棒を5mm単位に切り出し、先端の角を落とします。 グレーに塗装し、頭を赤く色差しすれば完成です。
コンクリートの表現には、グレーの色をもう少し吟味したほうが良さそうです。

〜ハシゴ〜
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電化区間で見かけるハシゴは津川洋行の製品を塗装し、プラ角棒に真鍮線を刺した台に引っ掛けました。

信号機

〜出発信号機〜
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二灯式の出発信号機はプラ板からの自作です。
幅4mm、厚さ0.25mmの平棒にφ1mmの穴を開けます。周囲をそれらしく丸く仕上げます。 裏側に厚さ1mmのプラ板を適当に切ったものを当てておきます。

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支柱はφ1mmのプラ丸棒ですが、少し細すぎのようです。φ1.5mmくらいがよいのでしょう。
本線側を赤、副本線側を青として色入れします。 今回は点灯化は見送りました。
点検用のハシゴはTOMIXの信号機から外して利用しました。

〜中継信号機〜
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エンドレス側の出発信号機はトンネルの中になるとの想定で、駅構内に中継信号機を建てます。
津川洋行製の中継信号機の色を落とし、再塗装しています。 その際に、進行現示となるようにしました。

予備レール

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適当な長さに切り出したレールを黒染めスプレーで塗装し、プラ角棒を茶色く塗った台座に接着しました。

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H川を仕上げる

川に水の流れを表現して仕上げてゆきます。

川の流れを作る

〜素材〜
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着色した川にKATOのリアリスティックウォーターを流し込みます。 クリアブルーの水性アクリル塗料をほんの少しだけ混ぜています。 段差の箇所は、ウォーターエフェクトを使いました。

〜水の表現〜
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埃が付かないようにビニールなどで覆い、固まるのを待ちます。 流し込んだリアリスティックウォーターが偏らないように水平を保つことにも注意します。

〜川岸などの流れ〜
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橋脚や岸辺の波の表現にもウォーターエフェクトを用いました。 最初は白い色ですが、固まると透明になります。 飛沫や波頭を表現するときには白色などで塗装します。

川の完成

〜川面に映る〜
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リアリスティックウォーターが固まり、ウォーターエフェクトの表現が終われば完成です。

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I桜の木

エンドレス側のホームの裏手には桜を数本植えます。

市販品を利用する

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花の表現を色々比べた結果、KATOの「桜の木」を使うことにしました。

舞い落ちた花びら

〜ピンクのパステル〜
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ホームに落ちた花びらは、ピンク色のパステルをおろし金で削って作ります。

〜ホーム上に散らす〜
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削ったパステルの粉をホーム上に撒き、ボンド水溶液で固着します。

〜桜の木を植える〜
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ホーム裏手の草地に穴を開けて桜の幹を刺してゆきます。

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春の駅を表現できたでしょうか。

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J小物による仕上げ

アクセサリーなどを使ってレイアウトを仕上げてゆきます。

トンネルに名前をつける

〜上川手第2トンネル〜
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トンネルポータルにはトンネルの名前と長さを表記したプレートがあります。 2つのトンネルポータルにそれぞれ名前をつけて、パソコンで作ったプレートをプリンター用の葉書に印刷しました。

〜芦沢トンネル〜
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石積みのトンネルは「上川手第2トンネル」、煉瓦積みは「芦沢トンネル」としました。

駅名

〜駅の入口〜
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駅名は長野県伊那地方から名前を取り、美篶(みすず)駅としました。
駅の入口は青地に白色で表記します。パソコンで作り、プリンターで印刷しました。

〜駅名標〜
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ホーム上の駅名標もパソコンによる印刷です。 ローマ字や隣接する駅名を入れるとそれらしくなりました。
しかし、肉眼では判読できません。

出発信号機

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出発信号機には下り本線と下り副本線の表記を「下本出」「下一出」と入れました。

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K完成

レイアウトが完成しました。

完成したレイアウト

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短期間で休日のみの作業では色々と粗も目立ちますが、とにかく初めて手掛けたレイアウトが出来上がってひと安心です。

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