唯一の定期寝台特急列車「サンライズエクスプレス」と2016年3月ダイヤ改正で消える大阪発長野行の特急「しなの」に乗るために、東京を出発して四国・中国地方を観光し、長野を経由する旅を楽しみました。
フルムーンパスを利用した5日間の旅は、寝台特急列車「サンライズエクスプレス」と大阪発長野行の特急「(ワイドビュー)しなの」の乗車を目的に計画を立てました。
「サンライズエクスプレス」は東京を夜10時に発車するので、一日が無駄にならないように計画しなければいけません。
なお、寝台特急列車の個室にはフルムーンパスが使えないので、特急券と寝台券は別途手配が必要でした。(2016年2月現在)
旅のスタートは東京駅です。
7:03発の「ひかり461号」に乗車して静岡を目指します。
新幹線を静岡で降り、在来線に乗り換えて島田駅で下車しました。
最初に訪れたのは大井川に架かる歩行者専用の蓬莱橋です。映画「男はつらいよ」のロケ地としても知られる名所です。
島田駅から東海道本線を西へ下り、浜松で下車します。
昼食は駅前の鰻屋で浜名湖の鰻重を注文しました。
浜松から上り新幹線に乗車して熱海で下車します。
駅前からバスで向かった先は山沿いにあるMOA美術館です。尾形光琳の「紅白梅図屏風」(国宝)などの素晴らしい作品に触れることができました。
熱海から新幹線で東京に戻り、駅構内の日本食堂で夕食を済ませた後は、この夜に東京を発つ寝台特急列車の乗車まで時間を潰します。
駅前の旧東京中央郵便局などを散策しながら時の経つのを待ちました。
乗車列車の入線時刻が迫って来ました。
寝台特急列車を待つ、ワクワクする時間です。
品川方から入線した14両の長大編成が、東京駅9番線ホームに据えられました。
出発の時間を静かに待ちます。
乗車したのは先頭車「サンライズ瀬戸」です。シングルツインの個室を確保できました。
岡山駅では高松行の「サンライズ瀬戸」と出雲市行の「サンライズ出雲」が分割を行います。
残念ながら分割シーンは収めていません。
「サンライズ瀬戸」は、宇野線・本四備讃線・予讃線からなる瀬戸大橋線へと入ります。
巨大な吊り橋の瀬戸大橋を轟音を響かせて渡ります。
瀬戸内の海は穏やかです。
遅れることも無く、終着の高松駅に到着しました。
ホームに降り立つと、爽やかな空気が心地よく感じられました。
乗り継ぎの列車まで時間があるので、改札を出て近くにある琴電の高松築港駅まで歩きます。
琴電の電車を撮影してから再び高松駅に戻りました。
高松から松山行の特急「いしづち3号」に乗車します。
「いしづち3号」は宇多津駅で岡山始発の「しおかぜ3号」と併結します。
先頭の「しおかぜ3号」のグリーン車に乗り換えます。
途中の伊予西条駅で下車します。
目的は四国鉄道文化館の見学です。
まずは南館に向かいました。館内にはSLや気動車などが展示されています。
駅を挟んだ反対側の北館には、新幹線0系のカットモデルと四国ゆかりのDF50形ディーゼル機関車を見ることができました。
伊予西条駅から「しおかぜ5号」に乗車し、松山へ向かいます。
伊予西条駅前の物産店でジュースを買い、車内で一息つきました。
松山駅に到着です。ホテルに荷物を預けてから昼食を摂り、市内を観光します。
大手町から路面電車に乗車して松山城へと向かいます。
途中、坊ちゃん列車を見ることができました。
路面電車は、松山城の堀端を巡ります。
市役所前電停から松山城の天守を仰ぎ見ることができました。
平山城である松山城へ架かるロープウェイに乗り、山頂を目指します。
ロープウェイ長者ヶ平駅から歩くと、松山城の天守が見えてきました。
天守に上り、眺望を楽しみます。
石鎚山や瀬戸内海の眺め、市内の様子などがよく分かります。
城内の花にはメジロの姿がありました。
帰り道はリフトを使って下りました。
松山城近くの大街道電停から路面電車で道後温泉に移動しました。
日本茶専門カフェで玉露を楽しみます。
陽が暮れて、道後温泉の近くで夕食を摂ります。
道後温泉駅から松山駅近くまで戻ります。
松山駅前で飲み物などの買い物を済ませて宿へ向かいました。
まだ暗い早朝、「しおかぜ6号」で岡山へ向かいます。
瀬戸大橋を渡り、本州・中国地方へ戻ります。
旧国鉄型381系特急列車も定期列車では「やくも」を残すのみとなりました。
岡山から特急「やくも5号」で備中高梁へ向かいます。
特急「やくも」のパノラマグリーン車の前面に現れたのは、トワイライトエクスプレスの編成を使用した団体臨時列車でした。
時刻を調べていた訳ではないので、嬉しいサプライズとなりました。
備中高梁駅で下車して市内を観光します。
最初に訪れたのは寅さんの映画のロケ地となったお寺です。
備中高梁駅の周辺を散策しました。
備中高梁駅に戻り、上り特急列車「やくも12号」に乗車します。
山陽本線との接続駅、倉敷で下車します。
駅を出て昼食を摂ります。
この旅の目的のひとつが東西の美術鑑賞です。
お目当ての画は東京の美術館に出張中でしたが、ほかにも見どころは多く、展示品の数の多さには圧倒されます。
この日の夕食は、倉敷駅前のスーパーで買い求めた惣菜などです。
四日目は再び四国へと向かいます。
倉敷の美観地区は朝の静寂に包まれていました。
倉敷から岡山へ移動し、高松行の快速「マリンライナー」に乗車します。
先頭はダブルデッカーです。
快速「マリンライナー」を坂出で下車し、高松発高知行のディーゼル特急「しまんと」に乗換えます。
立派な駅舎は金刀比羅宮の参詣に相応しいものでしょう。
近くには琴電の駅がありますが、そちらも趣のある駅舎です。
御本宮までは785段の石段を上ります。
拝殿で参拝し、展望台からの眺めを楽しみながら休憩します。
疲れはありません。ここから奥社への583段を進みます。
静かな山の道を上りきると、奥社へと辿り着きました。
讃岐平野を眺めます。
讃岐富士として知られる飯野山を望みます。
御書院に立ち寄り、円山応挙の襖絵を鑑賞します。
昼食は、土産物の並ぶ一角で讃岐のうどんを食しました。
食後は列車撮影などで過ごし、琴平駅に戻って岡山行特急「南風」に乗車します。
岡山と香川の間は二往復することとなりました。
この旅では瀬戸大橋を四回渡りました。
岡山駅に到着すると妻と別行動をとって路面電車の撮影を楽しみました。
この日の宿は新大阪です。岡山から東京行「ひかり480号」に乗車しました。
新大阪駅で駅弁を買って、ホテルで夕食にしました。
旅の最終日、目的を果たすため新大阪から大阪へ向かいます。
ラッシュの混雑を避けるため、ひと駅だけ城崎温泉行の特急「こうのとり1号」の自由席に乗車します。
大阪駅では首都圏では見られなくなった103系電車の姿がありました。
金沢行の「サンダーバード」に挟まれて長野行「しなの」が表示されています。
発車前には、乗り間違えの無いよう注意を促すアナウンスがホームに響いていました。
発車5分前になって、ようやく列車が入線してきました。
長距離特急列車ですが、何とも慌ただしい始発駅です。
大阪を出た特急「しなの9号」は、新大阪、京都などに停車して東海道を上ります。
滋賀県に入ると琵琶湖も見ることができます。
米原を過ぎて東海道新幹線と併行する伊吹山山麓の車窓です。
庄内川を渡り、名鉄名古屋本線が近づくと間もなく名古屋です。
東海道本線の名古屋・大阪間を走破する昼行特急列車の車窓も見納めです。
名古屋から先は中央西線へと入ります。
落ち着いたところで新大阪駅で買った駅弁で早めの昼食としました。
木曽谷に入り曲線区間が続きます。
車窓には中央アルプスが見えていました。
木曽川沿いの車窓は、名勝として名高い寝覚の床を間近に見ることができます。
塩尻でJR東海管内からJR東日本管内へと入り、路線は篠ノ井線となります。
松本平に入ると北アルプスが一望できます。
大糸線だけではなく、篠ノ井線から見る北アルプスのパノラマも見応えがあります。
スイッチバックの駅として有名な姨捨駅も、通過する特急列車は何事もなかったように通過してゆきます。
5時間ほどの乗車も短く感じるほど、車窓は十分に楽しむことができました。
終わってしまえば、在来線の長距離列車がまた一つ消えてゆくことの寂しさが募ります。
当初は雪の飯山を観光する計画でしたが、思いのほか雪が少なく予定変更です。
妻の提案もあって、金沢で夕食を摂ることにしました。
長野から「はくたか563号」に乗車しました。
日本海側からは北アルプスの山並みを見ることはできませんでした。
延伸計画はありますが、2016年時点では金沢が北陸新幹線の終着駅です。
駅前の鮨屋で夕食を済ませると、すぐに帰宅の途に就きます。
東京行「かがやき512号」の11号車に乗り込みます。
時間帯の所為かグリーン車の車内は満席でした。
2時間ほどで大宮駅に到着しました。
我が家まではもうすぐです。
平日の帰宅ラッシュを避けるため、ここでも行先の変更です。
東北新幹線で小山まで行くことにします。
「なすの269号」はE3系とE2系の併結でした。
E2系のグリーン車に乗車します。
短い乗車時間で小山に到着です。
在来線ホームへ降りて上り列車に乗車します。
フルムーンパスを利用した5日間の鉄道旅行も最後の列車となりました。
上野行の普通列車で家路へと急ぎます。