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登山年月日 | 2011年 7月15日〜16日 |
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参加人数 | 大人 2人 |
日程 | 一泊二日 |
天候 | (一日目)晴れ (二日目)晴れ |
距離 | (一日目) 5.1Km (二日目) 9.0Km |
時間(休憩を含む) | (一日目) 4時間00分 (二日目) 5時間40分 |
スタート地点標高 | 2234m (ピラタス横岳ロープウェイ山頂駅) |
最高点標高 | 2530m (蓼科山山頂) |
ゴール地点標高 | 1826m (蓼科牧場ゴンドラリフト山頂駅) |
標高差(最大) | 704m |
累積標高 | +1091m、-1499m |
気温 | 19℃ (一日目:坪庭 午後 0時 0分頃) |
(※ 標高、距離には誤差が含まれます)
本格的な夏山シーズンの到来に合わせ、山小屋泊まりの山行を計画しました。
行く先は馴染みの信州から比較的距離の近い八ヶ岳を選びました。
南八ヶ岳の厳しい登山路は今後の楽しみに取っておき、まずは歩きやすい北八ヶ岳として行程を組みます。
北八ヶ岳最高峰の蓼科山を最終目標に据えて、森と池を巡る山歩きです。
新宿発の「スーパーあずさ1号」に乗り、下車したのは蓼科高原・八ヶ岳方面の玄関口となる茅野駅です。
乗車した日は青空が広がり、山沿いには雲が掛かっていましたが富士山や南アルプスの峰々を眺めながら中央本線(東線)の車窓を存分に楽しみました。
茅野駅からは蓼科高原経由の路線バスで終点の横岳ピラタスロープウェイ乗り場を目指します。
バスを待っている間も強い陽射しを受けて、茅野駅前は信州とは思えないほどの暑さでした。
茅野駅を10時25分の定刻に発車したバスは、車窓に八ヶ岳の山容を眺めながら遅れも無く、終点のピラタスロープウェイに着きました。
標高1771mの山麓から2237mの山頂駅まで約7分で到着します。
南八ヶ岳から北八ヶ岳の蓼科山までの景色が眼前に広がります。
山頂駅の気温は約20℃です。
麓より涼しいとはいえ、太陽が眩しく、暑く感じます。
坪庭を横目に散策しながら登山道を北横岳に向かいます。
登山道は、しばらく坪庭の散策路との併用です。
整備された木道が続き、登山者よりも普段着姿の観光客が目立ちます。
高山植物の開花シーズンを迎え、数多くの花が咲いていました。
中でも大きくて目立つのが石楠花です。
道が左右に分岐して、左が北横岳方面への登山道です。
散策路の木道とは一変して山道に入ります。
それでも、木の板や階段が整備されていて、とても歩きやすい登山路です。
多くの登山者とすれ違いました。
振り返れば、南八ヶ岳の峰々とロープウェイ山頂駅が見渡せます。
登り始めて40分ほどで北横岳ヒュッテに到着しました。
山小屋の方に断って、小屋前で昼食をとることにします。
天気概況など尋ねると、ここ数日は天気が良く、この日も午後から崩れることも無いだろう、と仰っていました。
早速、湯を沸かして食事にします。
この日は、お湯を注いで3分でできるというパスタを選びました。
予想以上に美味しいパスタで、少々驚きました。
食事が済めば、北横岳を目指して出発です。
北横岳ヒュッテを出て、しばらく林の中を登ります。
ガレ場のような道もあり、足許に注意して歩きます。
視界が開けると、北横岳の南峰に到着です。
標高は北峰の方が高いのですが、三角点は南峰にあります。
南峰を後にして、北峰に向かいます。
南峰から歩いて直ぐに北峰に着きました。
途中の道では登山者とすれ違いましたが、山頂に人の姿はありません。
後から登ってくる気配もありません。
みんな、何処へ行ってしまったのでしょうか。
北横岳の目の前には、翌日に登る蓼科山が間近に見えます。
北横岳の正式な名称は「横岳」ですが、南八ヶ岳にある同名の山と区別するために「北横岳」と呼ばれます。
山頂を独占した気分を満喫し、双子池に向けて下山します。
いきなりのガレ場に足を取られないように慎重に下ります。
山頂から下り始めると直ぐに樹林帯に入ります。
鬱蒼とした森は日中でも薄暗い場所があります。
湿った道のあちこちの倒木は苔むしていました。
八ヶ岳は火山の噴火により形成された山です。
北横岳は活火山でもあります。
北八ヶ岳の一帯も溶岩で覆い尽くされていて、その岩の上に木が根をおろしています。
下り坂が少し緩やかになると亀甲池に出ます。
北横岳山頂から標高差約445mを1時間10分ほどで下ってきたことになります。
ここで立ったままですが、10分ほど休憩をとりました。
亀甲池を回りこむように沿って進むと、天祥寺原への分岐路に出ます。
双子池からは天祥寺原を経由しても蓼科山へ行くことが出来ますが、今回の山行では双子山から大河原峠を経由する道を選びました。
細いながらも踏み跡はあるので、藪漕ぎというほどではありません。
それでも、上半身までかかる笹薮の中を音を立てて進みます。
所々に大きな岩が転がっています。
薄暗い樹林帯の小ピークを越えていきます。
森の道を下りきった所に双子池があります。
その名のとおり、雄池と雌池の二つの池からなります。
雌池はキャンプ地に指定されていて、テント泊はこちらの池畔に設営します。
テントの設営は、双子池ヒュッテに断わる必要があります。
双子池の雌池と雄池の間に位置する双子池ヒュッテが、この日の宿です。
森の中のとても静かな場所にある山小屋です。
宿を予約する際に、午後4時ころの到着予定と伝えてありましたので、ほぼ予定通りといえましょう。
宿帳に記名して一泊二食の宿泊費を支払ったら、ご主人に勧められるまま雄池の撮影です。
わき水によってできた池とされ、宿もキャンプを張る人も、このわき水を飲料水として利用します。
山小屋には個室が八室とほかに大部屋があります(2011年7月現在)。
この日は、我々夫婦のほか愛知から来られたご夫妻の合わせて二組が宿泊客となりました。
連休前なので空いていましたが、この翌日は二十数組、翌週の夏休みが始まるころは70名ほどの予約が入っているとのことでした。
一日行動した後で空腹でしたが、美味しい料理に満足して山登りの疲れが癒されます。
消灯時間の午後八時前には床に入り、いつの間にか眠ってしまいました。
午後8時に就寝した所為か、夜中の午前2時に目が覚めてしまいました。
窓は開けたままでしたが、凍えるほどの寒さではありません。
満月の一日前ということもあり、ほかに光源の無い山の中では月明かりで十分に周囲が見渡せます。
その代わりに、肉眼ではほとんど星が見えませんでした。
時折聞こえる鹿の鳴き声も、月夜の晩に似合っているようでした。
午前2時過ぎから再び寝入り、気がつくと午前4時を過ぎていました。
明るくなるのを待って、三脚を担いで宿の周辺を散策します。
池の周りには、いくつかの花が咲いていました。
朝陽が差し込んで、大分明るくなった雄池を撮影しているころ、朝食の用意が出来たとの声が掛かりました。
二日目のスタートは、双子池ヒュッテの裏手から双子山に向かう登山道の入口です。
早朝からの行動は気持ち良く、前日の疲れも無く進みます。
双子山山頂上近くの斜面は、胸の丈ほどの笹薮の道です。
地面が見えないので、ストックを頼りに手探りで進みます。
朝露の草の洗礼を受け大分濡れてしまいましたが、夏場は直ぐに乾いてしまいます。
斜面を登りきると広い草原に出ます。
右手に浅間山や荒船山を望み、左前方は蓼科山です。
気持ちの良い草原の中の道を進むと、直ぐに山頂です。
双子山を下って行くと、三角屋根の大河原ヒュッテが見えてきます。
大河原峠には駐車場もあり、ここを起点に双子山や蓼科山を目指すハイカーも多くいます。
双子山から大河原峠の道でも、多くの登山者とすれ違いました。
大河原峠の公衆トイレで用を足し、登山口から蓼科山を目指します。
登山道の始めは緩やかな坂道ですが、直ぐに急な登り坂になります。
木の根に躓かないように登ります。
やがて岩の道となり、今度は浮石に神経を遣います。
坂道は大分緩やかになり、稜線を歩く趣です。
北八ヶ岳の一帯には、所々縞枯れの現象が見られます。
青空が覗く明るい山道です。
左手の木の間からは南八ヶ岳が見えてきました。
樹林帯が一瞬開けた所が将軍平です。
目の前には、いよいよ蓼科山が大きく立ちはだかります。
登山道の将軍平の分岐は、この先の木々を抜けた直ぐの場所です。
蓼科山荘の目の前が十字の分岐路です。
ここから蓼科山の山頂まで往復して、七合目方面に向かうことになります。
少しのんびり登ってきてしまったので、休憩は取らずに最後の山頂へのアタックです。
蓼科山荘を出ると直ぐに岩場の急登が待っています。
途中、鎖場もありますが、鎖を使わなくても登ることはできます。
特に山頂の直ぐ下は急斜面の大きな岩を越えて行かなくてはいけません。
夏の陽に照らされた岩は、手を着くと熱さが伝わってきます。
それでも、岩登りは素手の感触が大切なので、手袋などを着用する訳にはいきません。
岩場を登りきった所に山頂の山小屋があります。
山頂付近は溶岩の岩場が広がる台地です。
東から南の方角は雲が掛かっていて、富士山などは見えませんでしたが、西から北の方面には南アルプスから北アルプスまでが展望できました。
山頂の白樺湖に面した側から乗鞍岳を望みます。
山頂には溶岩の台地が広がっています。
中央部付近には蓼科神社奥宮の祠があり、安全祈願のお参りをしました。
山頂付近には三角点があります。
山頂の景色に満足して下山しました。
将軍平の蓼科山荘まで戻ってきます。
山荘の屋根上には、布団が並べられています。
将軍平からは蓼科牧場方面に下ります。
長い岩礫の道が続く下山道で、疲れが溜まりますが、落石を起こさないように十分注意しました。
長い下り坂を終え、自動車道路に出たところが七合目登山口です。
入口は鳥居がかかっていて、登山道が蓼科神社の参道になっていることが判ります。
ここには駐車場があり、マイカーの登山者は七合目登山口から入ることも多いようです。
将軍平から七合目までにも多くの登山者とすれ違いました。
七合目登山口に下りた登山客は、ほとんどマイカーのようでした。
ゴンドラリフト乗り場への道は、誰もいません。
七合目登山口からゴンドラリフト乗り場へは、何度か自動車道路を渡ります。
ゴンドラリフト乗り場はもう直ぐです。
バスの時間を気にしながら、最後はペースを上げて歩きました。
ゴンドラリフト乗り場の御泉水自然園駅がゴール地点です。
ここからはゴンドラリフトの片道チケットを購入して麓に下ります。
天候にも恵まれ、素晴らしい眺望も堪能できた心に残る山旅が終わりました。
今回は山小屋一泊の山行であるうえにカメラ用の三脚を荷に加え、背負った荷物は13kgにもなってしまいました。
その分、足腰、特に膝に負担がかかってしまったので今後は軽量化を考えないといけません。
一息ついて、ゴンドラリフトからの眺めを楽しみます。
眼下には女神湖が見えます。
蓼科山は、女ノ神山の異名を持つ山でもあります。
ゴンドラリフトの麓駅である蓼科牧場から路線バスを乗り継いで佐久平駅に向かいます。
佐久平からは長野新幹線で帰路につきました。