山歩き、山の写真、山行記録のページ
登山年月日 | 2011年10月18日 |
---|---|
参加人数 | 大人 2人 |
日程 | 日帰り(前泊) |
天候 | 快晴 |
距離 | 12.0Km |
時間(休憩を含む) | 10時間30分 |
スタート地点標高 | 2373m (雷鳥荘) |
最高点標高 | 3015m (大汝山山頂) |
ゴール地点標高 | 2373m (雷鳥荘) |
標高差(最大) | 738m |
累積標高 | +1267m、-1276m |
気温 | 4℃(前日午前 8時、室堂の参考値) |
(※ 標高、距離には誤差が含まれます)
2011年の高山の締めくくりとして立山縦走を選定しました。
この年の集大成として、悔いの残らないよう臨みましたが、思った以上に厳しい山行になりました。
それでも一日中晴天に恵まれて眺めは申し分なく、大満足の山旅になりました。
年に一度の長期休暇を利用して、立山縦走に挑戦です。
早朝出発のため、前日に山小屋に入り準備します。
室堂平は濃い霧に包まれて、立山の山容は影も見えません。
夜には雨も降り、登山道の凍結が心配になりました。
今回は、山小屋に連泊して二回の登山計画を立てていました。
食料なども多く、重い荷物を背負って宿に到着です。
山小屋と言っても立山は有数の観光地であり、温泉付きで水洗トイレ完備の宿です。
予約した部屋は床暖房が効いていて驚きました。
登山前日の食事としては多い感もありますが、どれも美味しくいただきました。
このメニューを出されては飲まない訳には行きません。
二人でビールの中瓶一本を頼みました。
宿の朝食を頼むと出発が遅くなるので、今回は夕食だけ付けた宿泊予約としました。
したがって、朝食は持参したもので済ませます。
出発前に宿の周りを歩いていると、一羽の雷鳥が足下を歩いていました。
人間が危害を加えないことを知っているようで、警戒心はありません。
薄い雲は掛かっていましたが、天気は良くなる傾向です。
気合を入れて、出発しました。
※途中の山小屋や休憩所の多くは既にシーズンを終えています。
青空が広がってきました。
大日連山には、まだ陽が当たっていません。
雷鳥沢キャンプ場までは整備された歩道を下ります。
室堂を中心とする散策コースに組み込まれていて、登山者以外の一般客も利用する道です。
キャンプ場には管理施設があり、水洗トイレもあります。
この時間で設営されていたテントは、2〜3張といったところでしょうか。
冬支度で出発しましたが、思ったより気温が高く風も無いので上着を脱ぐなど、身支度を整えました。
トイレを済ませて、すぐに出発します。
今回のルートで一番低くなる所です。
標高は、2250mほどでしょう。
称名滝に続く称名川の源流となる雷鳥沢を渡ります。
称名川は常願寺川に合流して富山湾に流れていきます。
沢の対岸の分岐を左に入ります。
右は真砂岳からの大走りの尾根道です。
沢に沿って歩くと、直ぐに大日岳方面との分岐に出ます。
右の剱御前方面に入ります。
本格的な登山道に入ります。
剱御前小舎まで一気に登り詰めます。
登山道を振り返るとスタート地点の宿、キャンプ場、地獄谷の噴煙を見ることができます。
ようやく登山道に太陽の光が照らされました。
風も無く、寒さは感じません。
まだ陽が当たらない場所もあります。
昨夜の霧がハイマツに着いて凍っています。
西の斜面に出ると風が吹くようになります。
標高が高くなると、後方には薬師岳が見えてきました。
前方には剱御前小舎が見えてきました。
稜線まで、あと少しです。
剱御前小舎に到着しました。
雷鳥平からの標準コースタイム(2h00m)を少し上回るくらいです。
剱御前小舎の2011年度の営業は10月20日まで、19日泊で終了です。
小屋閉めの準備が進められていました。
剱御前小舎の前からは剱岳が見えます。
剱御前小舎の前で小休止です。
これから向かう別山が見えます。
大日岳方向を見ると、雲海が広がっていて、富山平野は見えませんでした。
行動食を摂り、トイレを済ませて別山に向かいます。
剱沢方面への道と別れて別山に向かう稜線に出ます。
右手前方には、別山の後に歩く立山への稜線が続きます。
東側の斜面が見えると、遠方には富士山と南アルプスも見えました。
別山山頂は剱岳のビューポイントとしても名高い場所です。
眼前の剱岳に大興奮です。
後立山の最高峰、白馬岳を中心に連なる峰々が見渡せます。
別山北峰の山頂には表示がありませんでした。
周りを見て高そうな場所で記念撮影です。
剱岳や白馬岳を眺めていると、時間が過ぎるのを忘れてしまいます。
しばらく、眺めを楽しんでいました。
我々のほかには登山者は三人ほどでした。
別山南峰を下り稜線に出る道が見えます。
縦走の醍醐味は、気持ちの良い稜線歩きでしょう。
別山の巻き道との合流まで、凍った岩を下ります。
足場を確認しながら滑らないように慎重に進みます。
陽の光で解けた氷がカラカラと金属音をたてて落ちてゆきます。
真砂岳の巻き道との分岐に着きました。
この辺りは登山道が色々と分かれているので、間違わないように進みます。
視界が良いので問題はありません。
真砂岳の山頂に到着です。
別山南峰から約1時間、ほぼコースタイム(1h00m)どおりです。
富士ノ折立の直前は、岩場の急登になっていることが分かります。
東側(左手)の斜面には雪が残っています。
雷鳥平へのショートカットとなる大走りへの分岐です。
この辺りでは、1989年10月に寒冷前線の影響で吹雪になり8名が凍死する遭難事故が起きています。
今回の山旅では天候に恵まれましたが、やはり標高の高い山では気象の変化に注意しなくてはいけません。
稜線歩きから岩場の急登に掛かります。
真砂岳との鞍部(コル)からの標高差は約200mあります。
ここを登りきれば富士ノ折立の肩に出ます。
西側には室堂平が眺められます。
ミクリガ池もよく見えます。
立山の三つのピークの一つが富士ノ折立です。
剱岳と富士ノ折立は標高が同じで、2999mです。
眺めが良いので、写真を撮ったりしながら少しだけ休憩しました。
岩場の急登に時間を取られて、大走り分岐からの標準コースタイム(0h30m)を少しオーバーしました。
広い尾根を大汝山に向けて進みます。
すぐに大汝休憩所に着きました。
休憩所はシーズンを終えていて、扉は閉ざされトイレも使えません。
山頂直下の広場に荷を降ろし、最後の岩場をよじ登って立山連峰最高峰の大汝山に到着しました。
上空には雲ひとつ無く、周囲の山々が見渡せます。
富士山を始め、日本の主な山々の殆どが見えるようです。
しばらく、大汝山山頂からの眺めを楽しみます。
居合わせた登山者との山談議に花を咲かせました。
大日連山には雲が掛かってきました。
富山湾は雲海に隠れています。
歩いてきた稜線と共に剱岳などが見渡せます。
東側眼下には黒四ダムと黒部湖、後立山連峰(赤沢岳・蓮華岳・スバリ岳・針ノ木岳など)、遠方には浅間山も見えます。
南側には富士山、南アルプス(甲斐駒ケ岳・北岳・仙丈ケ岳など)が見えます。
これから向かう雄山を見ます。
雄山の後方は薬師岳です。
大汝山山頂では随分とゆっくり過ごしました。
このルート最後のピーク、雄山に向かいます。
雄山の山頂は雄山神社です。
山頂への入口には鳥居があります。
雄山山頂に到着しました。
一般に立山に登るとは雄山神社に参拝することでもあります。
雄山山頂には一羽のイワヒバリが歩いていました。
人間に警戒することなく近寄ってきます。
雄山頂上広場付近から山頂を見上げます。
雄山頂上広場には、一等三角点(標高2991.6m)があります。
雄山から一ノ越に下山します。
岩場は浮石も多く、慎重に下山します。
この時間では登ってくる登山者はいません。
雄山から300mを一気に下りてきました。
一の越山荘は既に営業を終えていて、扉を木の板で塞ぐなど、冬支度の真っ最中でした。
雄山から一ノ越までの下山は、ほぼ標準コースタイム(0h40m)どおりでした。
トイレも使えません。
一ノ越から室堂平は整備された道を下ります。
だいぶ陽が傾いてきました。
ゴールまで、あと少しです。
立山が夕陽に映えます。
コースから少し外れてミクリガ池に立ち寄り、お決まりの構図で撮影しました。
夕陽を浴びる大日連山です。
正面には、今朝登った剱御前小舎への登山道が見えます。
そこから右方向に目をやれば、歩いた稜線が真砂岳、立山を経て一ノ越まで見渡せます。
雲海も赤く染まり始めました。
スタートから10時間半を掛けて戻ってきました。
この日の夕食も宿で摂ります。
もちろんビールも欠かせません。
暗くなってから宿の外に出てみました。
上空は雲も無く、無数の星が瞬いています。