山歩き、山の写真、山行記録のページ
登山年月日 | 2012年 5月26日〜27日 |
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参加人数 | 大人 2人 |
日程 | 一泊二日 |
天候 | (一日目)晴れ (二日目)晴れ |
距離 | (一日目) 5.9Km (二日目) 4.7Km |
時間(休憩を含む) | (一日目) 5時間25分 (二日目) 3時間45分 |
スタート地点標高 | 1850m (八方池山荘) |
最高点標高 | 2696m (唐松岳山頂) |
ゴール地点標高 | 1850m (八方池山荘) |
標高差(最大) | 846m |
累積標高 | +1066m、-1064m |
気温 | 0℃ (二日目:唐松岳頂上山荘 午前 5時30分頃) |
(※ 標高、距離には誤差が含まれます)
2012年の『山歩き』は北アルプスを中心に据えて山行を計画しています。
残雪の北アルプス・・・その響きに憧れて雪山入門コースとされる後立山連峰の唐松岳に登りました。
行程の殆どは雪上の『山歩き』で、滑落の危険を考えればピッケルは必須の山道具です。
前週の谷川岳での雪上訓練の成果もあって、無事に歩くことができたとともに、素晴らしい景観を存分に楽しむことができました。
北アルプス北部へのアクセスは、長野新幹線から特急バスに乗り継ぎます。
JR長野駅前からは、上高地・大町・白馬の各方面へのバスが発着しています。
唐松岳の登山口である白馬八方へは、白馬乗鞍行のバスに乗車します。
長野駅から1時間あまりで白馬八方バスターミナルに到着です。
ここからゴンドラ乗り場まで10分ほど歩きます。
登山口まではゴンドラとリフトを乗り継いで行きます。
「アダム」と名付けられたゴンドラで兎平まで一気に上ります。
ここまでJR大宮駅を出てから3時間掛かっていません。
ゴンドラからクワッドリフト(四人乗りチェアリフト)に乗り継ぎます。
リフトから上を見ると雲が出ていました。
天気の回復を願います。
黒菱平で次のリフトに乗り継ぎます。
湿原にはミズバショウが咲いていました。
白馬三山は雲に隠れて姿を見せてくれません。
黒菱平から登山口までの最後のリフトに乗り継ぎます。
残雪の北アルプス登山の第一歩です。
十分な装備と服装で出発します。
第二ケルン付近のトイレは冬期閉鎖中との掲示がありました。
※出発後は、山頂近くの山小屋までトイレはありません。
八方池までは八方尾根自然研究路として整備されています。
木道の道をゆっくりと上ります。
薄雲が晴れて、登山道の右手に徐々に白馬三山が見えてきます。
白馬三山は、後立山連峰最高峰の白馬岳および白馬岳から南へ杓子岳、白馬鑓ヶ岳の三山を言います。
八方尾根自然研究路の木道コースは閉鎖されていました。
登山道コースは、岩場を上る道になりました。
歩き始めて間もないのですが、長丁場でもあるので小休止をとりました。
第二ケルンの前後は雪に覆われていました。
斜度はあまりないので、滑り落ちるような心配はありません。
雪の道が終わると、八方ケルンに着きました。
標高は既に二千メートルを超えています。
八方ケルンは、何となく人の顔に見えます。
八方池を見下ろす尾根道から唐松岳が山頂付近を覗かせました。
第三ケルンで休憩をとりました。
ケルンの背後には不帰ノ嶮(かえらずのけん)が険しい岩峰を見せています。
見下ろす八方池は、雪に覆われていました。
アイゼンを装着し、ストックをピッケルに持ち替えて、雪の斜面に踏み込みます。
春の雪は緩んでいて、ずぼずぼと埋まり足がとられます。
先行者のトレースを見ながら、ルートを見極めて歩きます。
八方尾根の登山道は、右手に白馬三山を見ながら歩きます。
雪上の直登は続きます。
見上げる斜面には、シュプールが描かれていました。
正面に丸山ケルンが見えてきました。
丸山ケルンに到着しました。
白馬三山の見え方も大分変わってきます。
不帰ノ嶮の岩峰群が間近に迫ります。
左手南方には五竜岳と鹿島槍ヶ岳もよく見えます。
尾根道の先の右には、三角形の山容をした唐松岳が見えています。
雪の急斜面を横切って進みます。
左側には落ちないように慎重に歩きます。
雪のない尾根に出て、岩場をよじ登ります。
唐松岳頂上山荘に到着です。
チェックインを済ませ、荷物を必要最小限にまとめてから唐松岳山頂を目指します。
夏場なら急な雷雲の発生もあって午後3時以降の行動は危険です。
しかし、天候の安定した季節ならば問題ありません。
もちろん、空の様子を注意深く観察し、気圧や気温の低下や上昇気流の発生などを見極める必要があります。
この日は風も弱く、雲も高い状態でした。
唐松岳山頂に到着しました。
山頂には誰もいません。
20分ほど滞在し、テルモスの湯でインスタントコーヒーを淹れて、のんびりと山を眺めていました。
その間も誰もやってきません。
後立山連峰の北方を望みます。
眼下には不帰ノ嶮があり、天狗の頭を経て白馬鑓ヶ岳、杓子岳、白馬岳へと続きます。
立山連峰の山稜は、雲に隠れてよく見えません。
それでも2011年の秋に歩いた立山縦走の道は分かりました。
名残惜しいのですが、山小屋の夕食時間が決まっているので山頂を下ります。
唐松岳頂上山荘に到着しました。
待ちに待った夕食です。
登山中は小休止ごとに少しずつ食べ物を口にしていましたが、しっかりした食事はとれていませんでした。
ビールも注文して、ゆっくりと山の食事を楽しみました。
食事が終わった頃、立山連峰の雲が晴れ、剱岳を始めとした峰々の稜線が浮かび上がりました。
しばらく山の撮影を楽しみました。
山は急激に気温が下がり、撮影中に体が冷え切ってしまいました。
カメラを操作するために指先のない手袋を使っていたので、指の感覚も麻痺しています。
ストーブの焚かれた食堂で、ココアを注文して体を暖めました。
午前3時半に目を覚まし、防寒対策をしてから山小屋の外に出て山を撮影しました。
山小屋の朝食は断わって、用意したインスタント食品で食事を済ませると、準備でき次第出発しました。
ほかに山小屋を出る登山客はいませんでした。
山小屋の裏山稜線に出ると不帰ノ嶮から白馬三山が朝陽を浴びていました。
裏山稜線を越えて雪上を少し進むと、狭い尾根道です。
バランスを崩せば谷底に真っ逆さまです。
朝陽は真正面から射し込んでいます。
朝方は氷点下まで気温は下がっていました。
前日歩いた緩んだ雪道は凍っています。
アイゼンの刃が気持ちよく雪を掴みます。
斜面を横切る右側は急な雪面が何処までも続いています。
表面が凍った雪面は、滑落したら何処まで落ちるか知れません。
丸山ケルンが見えました。
下りではケルンに立ち寄らず、雪の道で巻いてゆきます。
中斜面から緩斜面になる雪面では、尻セードで下りました。
下りの右手には鹿島槍ヶ岳と五竜岳を見ることができます。
雪の上にはベンガラで道案内が付けられていました。
前日には無かったものです。
雪の斜面は終わり、八方池まで下りてきました。
雪に覆われた八方池の池畔で休憩をとります。
朝食が少なかったので、ここでクリームパンやアンパンを食べて腹を満たしました。
ここまで数人の登山者と擦れ違いました。八方池山荘に宿泊していたのでしょう。
そして、後から下りてくる登山者はいません。
40分以上のんびりと休憩しましたが、ほかには誰もいませんでした。
青空を背景に白馬三山が雄大な姿を見せています。
八方池では、随分とのんびり過ごしました。
リフト乗り場に向けて出発です。
八方ケルンとその下の雪原が見えてきました。
下まで下りてくると雪は緩んできます。
抜群の眺望を楽しむ『山歩き』も、もうすぐ終わりです。
八方池山荘前に到着しました。
丁度、動き始めたリフトで登山者や観光客が沢山上ってきました。
雪山初級者コースと言われる八方尾根から唐松岳の道は、天気にも恵まれて素晴らしい『山歩き』になりました。
前週の谷川岳で雪道歩行をしておいたのは、とても役に立ちました。
リフトを乗り継いで下りる途中、黒菱平の湿原には青空が映っていました。